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FX取引の仕組み|その市場構造(マーケットストラクチャー)とは

外国為替市場は世界で最も大きく、流動性の高い市場です。この巨大なマーケットはどのような構造になっているのでしょうか。FX取引プラットフォーム上で見えているものの背後には、外国為替市場の基盤となる広大かつ体系的なエコシステムが存在します。

本記事では、FX取引の構造を分解し、インターバンク外国為替市場についても解説します。また、FXでの注文とは何か、注文の種類や、それらがFXネットワーク内でどのように処理されるのかについてもご紹介します。

FXのマーケットストラクチャーが参加者同士を繋ぐグローバルなネットワークであり、特定の取引所を持たない市場である世界地図の説明図

FXにおける「マーケットストラクチャー」とは?

FXにおける「マーケットストラクチャー」とは、注文がどのようにシステム内で処理されるのか、誰が誰と取引し、流動性がどこから生まれるのか、という構造的な仕組みを意味します。株式市場のようにNYSEなどの中央集権的な取引所を介して取引されるのとは異なり、外国為替市場には物理的な起点といったものはありません。メインの取引所も、取引フロアも、すべての取引がここで行われる、といった建物も存在しません。

その代わりFXは店頭取引、つまりOTC (Over the Counter)市場です。取引は電子通信ネットワークや銀行のディーリングシステム、FX取引プラットフォームを通じて、参加者同士が直接行います。つまり一つの中央市場ではなく、世界中の契約者同士がつながるグローバルなネットワークと考えることができます。

外国為替市場の内部構造

まず、外国為替市場の構造の最上位にはインターバンク外国為替市場があります。

ここは主要な商業銀行、投資銀行、中央銀行、そして大手金融機関が非常に規模の大きな通貨取引を日常的に行う領域です。インターバンク外国為替市場で形成される価格は、為替市場全体の価格形成に広く大きな影響を与え、下位層の多くの参加者もその価格や流動性に左右されます。

日本銀行の外国為替市況についてはこちらをご覧下さい。

その下の層には、リクイディティプロバイダー(LP)プライムブローカーが存在します。これらは大手銀行やノンバンク系金融機関で、ブローカーや機関投資家に対して常にBid/Askの価格を常に流しています。常時取引価格を提示しトレーダーがその価格で取引できるよう努めることで、システム全体に流動性を供給し、他の市場参加者が高速かつ最適な価格で取引できる環境を作っています。

さらにその下には、FXブローカーが位置しFX取引プラットフォームを提供しています。彼らの役割は、取引市場とトレーダーの橋渡しをすることです。多くの個人トレーダーや一部のプロトレーダーなどは、インターバンク外国為替市場へ直接アクセスすることができません。そのため、FX取引プラットフォームを通じて取引を行います。ブローカーは通常、複数のリクイディティプロバイダーから価格情報を集約し、顧客に提示した上で、注文を自社の約定モデルに基づき市場へ流します。

ロンドン、ニューヨーク、東京、シンガポール、シドニーなど世界中の金融センターに拠点を持つ主要参加層は、電子取引システムによって繋がっており、FX市場は月曜から金曜までほぼ連続で稼働しています。つまり、ある地域の取引時間が終わると別の地域の取引が始まるため、取引セッションが重なり合い、24時間体制でメジャー通貨ペアの価格形成や取引活動が続いています。

FX市場の構成としてインターバンク市場、LP、プライムブローカー、FXブローカー、個人投資家のピラミッド構造になっている図


FX注文の種類|注文の仕組みを理解する

FX注文とは、市場で通貨を売買するための指示です。トレーダーはFX取引プラットフォーム上で注文を出し、ポジションのオープン・クローズドのため様々な種類の注文を使い分けたり、リスク管理を行います。特にFX取引を始めたばかりの方は、注文の種類をしっかり理解しておくことが重要です。

成行注文、指値注文、逆指値注文の3つのFX注文タイプがある図

成行注文

成行注文は、トレーダーが出せる最もシンプルなFX注文です。

トレーダーが成行注文を出すと、現在市場で提示されている価格ですぐに指定の通貨ペアを売買したい、とブローカーに伝わります。これは例えるなら、お店で商品を棚から取り、すぐにそのままレジに持っていくようなものです。ただし非常にシンプルである一方、送信ボタンを押した時点で、利用可能な最良価格で直ちに売買が実行される点に注意が必要です。表示価格と実際の約定価格が異なる場合があるため、使いどころを理解しておくことが大切です。

指値注文

指値注文には2種類あります:

買い指値注文は、価格が一度下落した後に上昇すると予想する場合に使います。例えばEUR/USDの現在価格が1.2000で、1.1950まで下がってから再び上がると予想する場合、1.1950で買い指値注文を出します。

売り指値注文は、価格が一度上昇した後に下落基調へ戻ると予想する場合に使います。先ほどのEUR/USDの例で、現在価格が1.2000で1.2050まで上昇した後に再び下落すると予想する場合、1.2050で売り指値注文を出します。例えば1.2000でEUR/USDのロングポジションを持ち、1.2100まで上昇したら決済したい場合、1.2100で指値注文を出しておく。そうすれば、その価格に到達した時点で自動的にポジションが決済されます。

逆指値注文(ストップ注文)

逆指値注文は、新規ポジションのエントリーや、既存注文のリスク管理に活用できます。

買い逆指値注文は、価格があらかじめ指定した水準を上抜けた場合に新規の買いポジションを持ちたい時に使います。例えば、EUR/USDの現在価格が1.2000で、1.2050を上抜けたら上昇が加速すると考える場合、1.2050で買い逆指値注文を出します。

一方、売り逆指値注文は、価格が指定した水準を下抜けた場合に新規の売りポジションを持ちたい時に使います。先ほどのEUR/USDの例でいくと、1.1950を下抜けたら急落すると予想する場合、1.1950で売り逆指値注文を出します。

指値注文と逆指値注文に関する詳しい記事はこちら

FX取引プラットフォームで最も有用なツールの一つがストップロス(損切り)です。これは市場が不利な方向へ動いた場合に、あらかじめ設定した価格で自動的にポジションを決済するための注文です。

これにより、トレーダーは損失を最小限に抑え資金を守ることができます。例えば1.2000でEUR/USDのロングポジションを持ち、1.1950まで下落したら決済したい場合、1.1950でストップロスを設定します。

FX注文の処理方法|外国為替市場の構造

では、トレーダーがFX取引プラットフォームで注文を出した後、その注文はFXネットワーク内でどのように処理されるのでしょうか。以下がそのフローになります。

  1. 個人トレーダーがFX取引プラットフォームで売買注文を出します。
  2. FXブローカーがこれらの注文を受け取り、集約した上でリクイディティプロバイダーに渡します。
  3. リクイディティプロバイダー(銀行など)は市場に流動性を供給し、注文がスムーズに約定されるようサポートします。
  4. リクイディティプロバイダーは大口のFX注文も処理します。注文が非常に大きいような場合には、一部をより豊富な流動性を持つインターバンク外国為替市場に流すこともあります。

外国為替市場は巨大で、かつ互いに繋がり合った構造体です。FX取引はそれを構成するパーツの一つであるというのが重要なポイントになります。自分の取引がどこに位置しているのかを理解できるようになると、なぜスリッページが発生するのか、スプレッドが変動する理由や、なぜ注文約定にわずかな遅延が生じることがあるのか、といった疑問も出てくるでしょう。これらは初心者トレーダーがぜひ学んでおくべき大切なトピックです。

FX価格を動かす要因とは?

外国為替市場の構造はダイナミックで、さまざまな経済的・政治的要因の影響を受けます。これらの要因が価格の変動や注文の流れに大きく関与しています。主な要因は以下の通りです。 

  • 中央銀行の政策:金利の変更は通貨需要に急激な変化を生むことがあります。
  • 経済指標:インフレ率、GDP成長率、雇用統計などのメジャーな経済指標は、取引心理に大きな影響を与えます。 
  • 政治的要因:貿易戦争、選挙、地政学的リスクなどは通貨の強さに変化をもたらすことがあります。 
  • 大衆心理:世界的なニュースやトレーダー心理も、買い手と売り手の市場参入に大きな影響を及ぼします。 


外国為替市場の構造に関するよくある質問

為替市場の市場構造、マーケットストラクチャーとは何でしょうか?

インターバンク外国為替市場の大手銀行から、個人のトレーダーに至るまで、世界の金融市場がどのように組織されているかを指します。

FX注文はどのように市場内で処理されるのでしょうか?

FX注文はトレーダーが発注した後、ブローカーの手に渡ります。その後、ブローカーは注文をリクイディティプロバイダーやインターバンク外国為替市場に送ります。この構造によって、FXの注文が適切な取引相手に届き、市場の流動性と価格の安定性が保たれています。

FXの市場構造において、キーとなる参加層は誰ですか?

主要な参加層は、中央銀行、商業銀行、ヘッジファンド、ブローカー、個人トレーダーなどです。外国為替市場はピラミッド構造で、インターバンク外国為替市場の参加者が最上位に位置し、その下に機関投資家、さらにリテール層が続きます。

FX市場には、センターとなる取引所といったものはないのですか?

はい。株式市場とは異なり、FX業界には中央集権的な取引所が存在しません。外国為替取引は、世界中の銀行やブローカーを通じた店頭取引によって行われるため、FX市場の構造は本質的に分散型となっています。 

まとめ|外国為替市場の構造を解説

外国為替市場の構造は最初は難しく感じるかもしれませんが、インターバンク外国為替市場から個人のリテールトレーダーが利用する取引プラットフォームまで、各層がどのように相互に結びついているかを理解することは、トレーダーにとって非常に重要なことです。FX市場は無作為に動いているわけではなく、注文がどのように処理され、市場価格が日々どのように動くのかには明確なロジックがあります。

もしこの記事があなたの役に立ち、さらに取引に関する知識を深めたいという方は、引き続きECアカデミーであなたの役に立つテーマを学んでいきましょう。

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