結論、Axioryでは同一口座内での両建ては許可されていますが、複数口座間や他社業者間での両建ては厳格に禁止されており、違反した場合は口座凍結などの重いペナルティが課せられます。
本記事では、Axioryの両建てルールの詳細から実践的な活用方法、注意すべきリスクまで、FX中級者向けに詳しく解説します。
この記事のまとめ
- Axioryでは同一口座内での両建ては可能(複数口座間や他社業者間での両建ては禁止)
- Axioryで両建てする際、MT4/MT5の場合は必要証拠金が相殺され、cTraderの場合は片道分の必要証拠金が必要
- Axioryで両建てする際の注意点は、取引コストが高くなること、違反した際のペナルティが重いこと
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Axioryの両建てルール・仕様

ここではAxioryの両建てに関するルールや細かい仕様について解説します。
Axioryで可能な両建てと禁止されている両建て
Axioryでは両建て取引に関して明確な規定があり、許可されている両建てと禁止されている両建てが区別されています。
この区別を理解せずに取引を行うと、予期しない口座凍結や利益没収のリスクがあるため、まず基本ルールを確認しましょう。
許可されている両建て | 禁止されている両建て |
---|---|
同一口座内での同一通貨ペアの両建て 同一口座内でのCFD商品の両建て | 複数口座間での両建て 他社業者との両建て |
Axioryで許可されている両建て取引
Axioryで許可されている両建ては以下の通りです:
- 同一口座内での同一通貨ペアの両建て
- 同一口座内でのCFD商品の両建て
例えば、1つのAxiory口座でUSD/JPYの買いポジション1ロットと売りポジション1ロットを同時に保有することは完全に合法です。
Axioryで禁止されている両建て取引
一方、以下の両建て取引は厳格に禁止されています:
- 複数口座間での両建て
- 他社業者との両建て
例えば、Axioryの口座Aで買い、口座Bで売りような行為や、Axioryの取引口座で買い、XMの取引口座で売りを行うような行為は禁止です。
重要: これらの禁止行為が発覚した場合、Axioryから警告メールが送られ、改善されない場合は口座凍結措置が取られます。
Axioryで両建てした際の必要証拠金の計算方法
Axioryで両建て取引を行う場合、利用する取引プラットフォームごとに必要証拠金の計算方法が異なります。
この違いを事前に理解しておくことで、より効率的かつ安全な資金管理が可能になります。
MT4/MT5の場合:証拠金相殺システム
MT4およびMT5では、両建てポジションの証拠金は「相殺される仕組み」が採用されています。買いと売りを同一口座内で同一ロット保有すると、実質的な必要証拠金はゼロになるのが特徴です。
【具体例】
- USD/JPY買い 1ロット:必要証拠金 44,000円
- USD/JPY売り 1ロット:必要証拠金 44,000円
⇒両建て時の実際の必要証拠金:0円
この証拠金相殺システムにより、特に短期のリスクヘッジや相場急変時の対応において資金効率を大幅に改善できます。
cTraderの場合:片道分の証拠金が必要
cTraderプラットフォームでは、MT4/MT5とは異なり、「片側のポジション分の証拠金」が常に必要です。同一銘柄を同量で両建てしても、片道分の証拠金が拘束される点に注意しましょう。
【具体例】
- USD/JPY買い 1ロット:必要証拠金 44,000円
- USD/JPY売り 1ロット:必要証拠金 44,000円
⇒両建て時の実際の必要証拠金:44,000円
したがって、cTraderを選択する場合は、証拠金効率の観点から両建て取引がMT4/MT5よりも資金効率が悪化することを理解しておく必要があります。
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Axioryが特定の両建てを禁止する理由

Axioryが複数口座間や他社業者間での両建てを禁止する主な理由は、ゼロカットシステムの悪用を防止するためです。
ゼロカットシステムが悪用されると、ブローカー側に多大な損失が発生します。この仕組みを理解することで規制の重要性が分かります。
この2つについて以下でさらに詳しく解説します。
ゼロカット悪用の具体的手法
ゼロカットシステムを悪用した典型的な不正取引の流れは以下の通りです。
- 口座Aで高レバレッジの買いポジション(100ロット)を保有
- 口座Bで同量の売りポジション(100ロット)を保有
- 重要指標発表時の大きな値動きを利用し、大幅な相場変動を狙う
- 相場が急変動した際、一方の口座はゼロカットシステムによって損失が限定
- 他方の口座では大きな利益を確保
この手法では、トレーダーは実質的にリスクをほぼゼロに抑え、ブローカー側のみが損失を被る不公平な状況が発生します。
ゼロカット悪用によるブローカーへの影響
ゼロカットの悪用が頻繁に行われると、以下のような問題が起こります。
- ブローカー側が継続的かつ一方的に損失を被り、経営の安定性が低下する
- 経営を維持するために他の善良なトレーダーへのコスト転嫁(スプレッドの拡大)が生じる
- 悪質な取引が増加すれば最終的にブローカー自体が経営破綻するリスクが生じる
このような重大な影響を避けるため、Axioryをはじめ多くの海外FX業者は規約で複数口座間や他社業者間の両建てを厳格に禁止しています。
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Axioryで両建てを行う際の注意点とリスク

両建て取引は有効なリスクヘッジ手法の一つですが、通常の片方向の取引に比べるとコスト負担やリスク管理の手間が増えます。そのため、運用には慎重な姿勢が求められます。
実際に両建てを許可しているAxioryであっても、両建ては利益を生む万能な手法ではありません。ポジション管理が煩雑になるうえ、スプレッドやスワップなどのコストが増えるため、利益を圧迫する可能性があります。
以下では、Axioryで両建て取引を行う際に必ず理解しておきたい代表的なリスクや注意点を具体的に解説します。
通常の取引と比べて取引コストが高くなる
両建て取引を行う際には、通常の片道取引よりも取引コストが大幅に増加する点を必ず意識しましょう。コスト管理を誤ると、期待した効果が得られないばかりか利益を圧迫します。
具体的な取引コストの増加要因としては、「スプレッドの二重負担」と「スワップポイントの負担増加」が挙げられます。以下で各要素について詳しく解説します。
スプレッドコストの二重負担
両建てを行う場合、買いと売りの両方でスプレッドが発生します:
【具体例:USD/JPY(スプレッド1.2pipsの場合)】
- 通常取引:1.2pips(片道)
- 両建て取引:2.4pips(往復)
⇒コスト差は2倍に増加します。
短期間でも両建てを多用すると、このスプレッド負担が利益を圧迫するため注意が必要です。
スワップポイントの影響
両建てポジションを翌日以降に持ち越す場合、買いと売り両方のポジションでスワップポイントが発生します。多くの通貨ペアでマイナススワップが多いため、コスト増となります。
通貨ペア | 買いスワップ | 売りスワップ | 両建て時の合計 |
---|---|---|---|
USD/JPY | -18.49 | 6.12 | -12.37 |
EUR/USD | 5.37 | -8.84 | -3.47 |
GBP/JPY | -25.08 | 8.12 | -16.96 |
※スワップポイントは市場環境や政策金利の変化によって日々変動します。
スワップポイントは水曜日(日本時間木曜日早朝)に3倍発生することもあるため、特に中長期の両建ては慎重に判断することを推奨します。
両建ては効果的なリスクヘッジとなりますが、想定外のコスト増加リスクを理解した上で、明確な目的と計画を持って運用しましょう。
違反した際のペナルティが重い
先述のとおり、Axioryが禁止行為とみなす両建て(複数口座間や他社口座との不正目的の両建て)を行った場合、非常に重いペナルティが課されます。発覚時には利用規約24章2項に基づき厳格な措置が取られます。
以下は24章2項が規定する主なペナルティを整理したものです。内容を把握し違反を徹底的に回避しましょう。
【違反した際のペナルティ】
■取引停止・アクセス遮断
新規注文は受け付けられず、取引システムへのログイン権限も停止。保有ポジションは決済のみ可能です。
■利益の取り消し
違反取引で得た利益は「リバースプロフィット」として全額差し引かれ、口座残高に反映されません。
■口座の一時停止・統合オフセット
違反状況に応じて口座を一時停止、複数口座の残高を強制的に相殺・統合し、さらなる損失回避を図ります。
■口座閉鎖・再開設拒否
資金を精算したうえで契約を即時終了。同一名義での開設申請は受理されず、事実上永久に利用できません。
■ポジション凍結・注文拒否
未決済ポジションの凍結や新規注文拒否が行われ、強制決済を含むブローカー裁量の処理が実施されます。
■契約の即時解除
重大または反復違反の場合、事前通知なく契約を解除。関連取引を取消・巻戻しし、損害拡大を防止します。
こうした措置は段階的に強化されるものの、重大違反が一度でも認定されると信用回復は極めて困難です。
違反情報が他社にも共有され、今後の口座開設に支障を来すリスクがある点にも注意してください。
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Axioryで両建てするメリットと実践での使い方

前提として、Axioryに限らず両建ては取引コストが二重でかかるため基本的にはおすすめしませんが、特定の状況では有効な戦略となる場合があります。
適切な場面で使用することで、リスク管理の選択肢を増やすことができます。
以下では特定の状況で両建てを有効にする方法を解説しています。
経済指標発表前のリスクヘッジ
重要な経済指標の発表前は、相場が予測不能な急変動を起こす場合があり、大きな損失につながるリスクがあります。こうした局面で両建て戦略を活用すると、相場の予想外の動きから含み益を保護できます。
【実践例:FOMC発表前の両建て】
状況:USD/JPYを5ロット買いポジション保有中(+50pipsの含み益発生中)
両建て戦略:
- 同通貨ペアで同量(5ロット)の売りポジションを新規で追加
- FOMCの発表を待ち、相場の動きを見守る
- 発表後、方向性を確認して片側のポジションを決済し、両建てを解除
メリット:
- 指標発表による予測困難な急変動リスクを一時的にヘッジできる
- 重要指標発表時に発生しやすい価格ギャップ(窓開け)リスクを回避
- 発表直後の混乱相場で慌てて判断することなく、冷静に対処可能
利幅の一時固定
大きな含み益が発生した場合、利益を確定せずに一時的にそのポジションを固定する戦略として、両建て取引は有効な手段となり得ます。これは特に税務上の利益調整を行いたい際に役立つ方法です。
【実践例:年末の税務調整】
状況:年末の時点で大きな含み益があるが、今年中に利益確定せず、課税を翌年以降に繰り延べしたいケース。
戦略:
- 保有中の含み益ポジションと同通貨ペア・同量の逆ポジションを建てる
- 年末年始を跨ぎ、含み益を翌年まで固定した状態で維持する
- 翌年に入ってから、適切な相場環境になった段階で片方のポジションを決済し、利益を実現する
注意事項
- 両建て状態ではスワップポイントが両方のポジションで発生し、長期間維持すると想定以上のコストになる可能性があります。
- 税務上の取り扱いは複雑であるため、実行前に必ず税理士などの専門家へ相談することを推奨します。
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Axioryの両建てに関するよくある質問
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Axioryで両建てを行う際は慎重に検討しよう
ここまでAxioryの細かい両建てルールや、注意点や両建ての際の戦略について解説しました。Axioryでは、同一口座内における両建て取引のみ認められています。
一方、複数の取引口座をまたぐ両建てや他社FX業者との間で行う両建ては、ゼロカット制度の悪用防止の観点から厳格に禁止されており、規約違反と判断された場合は、口座凍結や利益没収など非常に重いペナルティが科されます。
反対にAxioryはしっかりとルールを守った取引をすれば、出金拒否されることなく安全かつスプレッドや約定力などとても良い条件でに取引できるのでおすすめです。
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